瑕疵担保責任

 

「隠れたる瑕疵」をどうするのかを規定する

瑕疵担保責任は、主に、物の売買契約や物の製造請負契約で問題となります。これらの契約の場合、納品された物に明らかな瑕疵があるときは、債務不履行(不完全履行)の問題になります。このように、明らかな瑕疵がある場合は、売主や受注者は、納品や検査の時点で代替品の納品や修理をすることになります。

問題となるのは、検査の時点で瑕疵の存在が明らかでない場合についてです。このように、検査の時点で明らかでない瑕疵のことを、「隠れたる瑕疵」といいます。民法(第566条・第570条)によると、買主は契約の対象となっている目的物の隠れたる瑕疵の存在を知った時から、1年以内に契約の解除または損害賠償の請求をすることができます。ただし、企業間の取引の場合は商法が適用されますので、隠れたる瑕疵についての瑕疵担保責任の期間は、商法526条により、6ヶ月とされます。

ここで、1年間や6ヶ月間という、瑕疵担保責任の期間(以下、「保証期間」とします。)が問題となります。当然ながら、買主にとってみれば、保証期間が長いほうがいいですし、売主にとってみれば、保証期間が短いほうがいいです。民法や商法に規定する保証期間は、当事者の合意によって変更することができます。ですから、契約交渉によって、自分側にとって有利な内容に保証期間を変更するべきです。

 

特約が認められない特別法がある

契約の内容によっては、特別法で瑕疵担保責任についての特約が認められないことがあります。具体的には、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品法確)、製造物責任法(PL法)、消費者契約法などがあります。これらの法律が適用される場合、売主は特に注意する必要があります。

品確法が適用される場合、住宅の新築工事の請負人や新築住宅の売主は、その住宅の特定の部分について、最低でも10年間の瑕疵担保責任を負います。また、この年数については、発注者や買主にとって不利な特約は無効となります第94条・第95条)。

PL法が適用される場合、その製品を製造したメーカーは、別途の特約があったとしても、瑕疵担保責任が免責されません。

消費者契約法が適用される場合、売主である企業と買主である消費者との契約において、隠れたる瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項は、無効となります(第8条第1項第5号)。

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