クレジット支払い停止

クレジット契約の種類には、「割賦販売」又は「自社割賦」と言われる二者間クレジット契約と、「割賦購入あっせん契約」と言われる三者間クレジット契約があります。

●二者間クレジット契約(割賦販売・自社割賦)
 販売業者自身が直接クレジット販売を行い、分割払いにするシステムです。消費者と販売業者の二者間での取引となります。

三者間クレジット契約(割賦購入あっせん契約)
 消費者が商品等を購入すると、販売業者はクレジット会社(信販会社)を斡旋し、クレジット会社が販売業者に代金を支払い、消費者はそのクレジット会社に対して、分割で代金を返済するシステムです。

三者間クレジット契約(割賦購入あっせん契約)の契約関係は、下記のようになっています。

①消費者と販売業者との売買契約
②消費者とクレジット会社との
立替払契約
③販売業者とクレジット会社との
加盟店契約

・①②③はそれぞれ別々のものです。例えば、消費者と販売業者との売買契約(①)をクーリングオフで解除した場合でも、もうひとつの消費者とクレジット会社との立替払契約(②)が残ってしまう、という問題があります(別々の契約なので、立替払契約が自動的に解除されることにはなりません。そのまま放っておくと、口座から毎回、代金が引き落とされることになります)。これでは消費者にクレジット会社(信販会社)に対する代金の支払いだけが残ってしまい、販売業者はなんの不利益もなく、結局、消費者だけが丸損になってしまいます。

・「口座から引き落とされると大変」と思って、金融機関に行って口座からの引き落としを勝手にストップすると、債務不履行の問題が生じます。クーリングオフの通知と同時に、立替払契約を結んでいるクレジット会社(信販会社)に対しても、しっかり速やかに手続きをして(クレジット会社に対しても、販売業者に対して送ったクーリングオフの通知書と同じ内容の内容証明郵便(通知書)を送ったり、あるいはクーリングオフの通知書の写し及び支払停止抗弁の申出書(全国信販協会作成)をセットにして送ったりします)、合法的に口座からの引き落としを止める必要があるのです。

 

支払停止抗弁権(抗弁権の接続)とは

 「クレジット契約で購入した商品が引渡されない」「商品が見本とは違っている」「商品に欠陥があった」などのように、販売業者に対する「抗弁事由」がある場合には、その「抗弁事由」をもって、クレジット会社(信販会社)にも抗弁することでクレジットの支払請求を拒否することができます(割賦販売法第30条の4)。これを支払停止抗弁、あるいは抗弁の接続といいます。また、この権利を指して支払停止の抗弁権(支払拒絶の抗弁権)と呼ぶこともあります。

 

支払停止抗弁権を適用できる場合

支払停止抗弁権を適用できる要件は、割賦販売法により、次のように定められています。以下の要件を満たし、かつ、販売業者に対する「抗弁事由」がある場合には、支払停止抗弁権(抗弁権の接続)を主張できます。

①割賦購入あっせん契約(クレジット契約)であること
指定商品・指定権利・指定役務であること
③2カ月以上の期間にわたる3回以上の分割払いであること
④販売業者に対し
抗弁事由があること
⑤支払総額が4万円以上であること
  (クレジット契約がリボルビング方式の場合は、3万8000円以上であること)
⑥購入者(契約者)にとって商行為とならないこと
  (事業者の契約や商行為の場合は適用されません)

 

支払停止抗弁権を主張できる抗弁事由

支払停止抗弁権は、販売業者に対し「抗弁事由」がある場合に主張できます。抗弁事由は消費者保護の観点から「可能な限り広く解釈するべき」という通達が出ています(原則として、販売業者に対して主張しうる抗弁事由は、以下の事由に限定されるものではありません)。しかし消費者側の一方的な都合(単に支払いがきつくなってきた、などの理由はダメ)による合意解約の場合などは、抗弁事由に該当しません。

①売買契約が成立していない場合
②商品の引渡しがない場合
③商品に欠陥がある、あるいは見本やカタログと明らかに異なっている場合
④商品の販売条件となっている役務の提供がなされない場合
⑤販売業者側に債務不履行がある場合
⑥売買契約が取消しできる場合(詐欺・強迫・未成年者など)
⑦売買契約が無効となる場合(錯誤など)
⑧特定継続的役務の中途解約による支払停止の場合
クーリングオフで売買契約を解除できる場合

などです。

  

支払停止抗弁の申出

支払停止抗弁の申出は、書面により(形式的には内容証明郵便等で)行います。ちなみに、通知するときに使用する用紙が、「全国信販協会」からもダウンロードもできますが、確実に通知したい場合は、内容証明郵便を使うのがよいです。なお、申出書の送付は普通郵便で構いませんが、配達証明はつけるようにしましょう。

クーリングオフの通知を出すと、通常の業者であれば、クレジット会社(信販会社)に対してクーリングオフ通知が来た旨を連絡して、代金の支払いを停止する措置をとるのですが、悪徳業者は連絡をしないことがあるため、確実に通知するには、クレジット会社の方にもクーリングオフの通知と同じ内容の通知書を内容証明郵便にて送りましょう(実際には、クーリングオフは販売会社に対して行い、クレジット会社に対しては、抗弁権の主張という形になります)。これを怠ると、クーリングオフしたのに代金が引き落とされている、あるいは代金不足(引き落し不能)でブラックリストに載ってしまうこともあります。

「サービスを受けられない状態なのに支払いだけは残っている」「仕事も来ないのに支払いだけが続いている」「商品の内容が勧誘されたとき言っていたことと違う」などの状況であれば、支払停止ができるかもしれませんので確認してみる必要があります。

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