公正証書にすることが出来る文書

公正証書は、当事者や関係人の嘱託により、法律行為や私法上の権利に関する事実について、公証人により作成される
文書です。(公証人法)
公証人は、遺言や契約などの内容を見聞きし、法令に違反しないかを確認した上で作成します。
その為、法律行為や私法上の権利に関する事実について、法令に違反していない文書が、公正証書に出来る文書、ということになります。

 

公正証書にすることが出来ない文書

無効な法律行為や法令に違反するような内容については、公正証書にすることが出来ません。
また、未成年者や成年被後見人などの制限能力者が為した契約のような、取り消すことが出来る法律行為については、公正証書にすることが出来ません。(公証人法第26条)
なお、印鑑証明書その他の書類で、本人であることの確認をとりますので、本人であることの確認が取れないものについても、公正証書にすることは出来ません。

公正証書にすることの出来ない、無効ないし法令に違反する法律行為等とは、例としては、以下のようなものになります。

公正証書にすることが出来ない文書
 ・意思無能力者や15歳未満の者がなした遺言
 ・未成年が単独でなした契約
 ・重婚契約や16歳未満の者がなした夫婦財産契約
 ・離婚において養育費請求権や面接交渉権を一切放棄するというような内容
 ・強制執行の範囲について、法定範囲を超えて服すると定めた内容
 ・相続権や時効援用権を予め放棄するというような内容
 ・金銭債務で、遅延損害金が年18%を超える利息制限法違反の内容
 ・愛人契約や殺人嘱託契約など公序良俗に反する法律行為を定めた内容

 

公正証書にすることが出来る文書

上記のように、無効な法律行為や法令に違反する内容でなければ、公正証書にすることは可能です。
ただし、金銭債務以外の、特定財産の引渡や不動産の明渡し、登記手続きなどについて定めた内容の場合、この条項を以て強制執行をすることは出来ません。

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