損害賠償

事故や事件によって相手に損害賠償請求をする場合には、相手(加害者)の(1)故意又は過失によって、(2)権利又は法律上保護される利益を侵害され(違法性)、(3)それによって損害が生じたこと、という要件を満たす必要があります。不法行為責任を追及するには、これらの要件を満たしたことを、被害者側が立証しなければなりません。

相手(加害者)に責任能力がなかったり、相手(加害者)の行為がやむを得ないものであったとする理由(違法性阻却事由)がある場合には、不法行為は成立しないことになります。

民法条文

(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(財産以外の損害の賠償)
第710条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

(責任能力)
第712条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

 

暴行・傷害

刑事上の責任
 ケンカや一方的な暴力行為でけがをしたり、セクハラ等で暴行を受けた場合は、犯罪として刑事上の責任を負います。

刑法条文

(傷害)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

民事上の責任
 民事上の不法行為にあたりますので、加害者は被害者に対して、不法行為に基づく損害賠償義務を負うことになります。

ケンカの原因、怪我の程度にもよりますが、総合的に判断して相手方の責任がより重ければ、怪我の治療費休業損害慰謝料など損害賠償を請求できます。

一方的に攻撃されたのであれば、加害者に対して損害賠償の請求をすることも可能です。

ケンカになる事情について主な原因のある一方が先に手を出し、その後も攻撃的なため、相手がこれに応戦したとしても、防御的と判断されるような場合には、防戦した方の行為は「正当防衛」と評価される可能性が高いと思われます。これに対して、どちらかの一方的な攻撃であり、これに対する防衛行為であると評価できない場合には、双方の行為が不法行為となります。

例えば、飲み屋で他の客と言い争いになり、その後店外にてケンカをして、双方が怪我を負った場合、ケンカになった事情については双方に非があり、かつ、双方の行為が不法行為になる、と判断されるでしょう。

双方が攻撃しあった場合に損害賠償を求めると、逆に損害賠償を請求される可能性もあります。ただし、損害賠償請求をされても、相手の請求額について過失相殺の主張ができます(損害が大きくない限り、何もしないほうがよいのかもしれません)。ケンカの過失割合は、ケンカになった事情、双方の行為の態様、損害の程度などによって判断されることになります。

法的には、「ケンカ両成敗」「先に手を出した者が悪い(そうでない者は悪くない)」などという単純な理屈は通用しません。ケンカはすべきでありません。

内容証明を作成する場合は、その情況を詳細に記載し(日時、場所、状況、負傷箇所、治療費、慰謝料など)、相手に損害賠償の請求をします。

 

その他、活用例

交通事故による損害賠償請求書

後遺症による損害賠償請求書

騒音による損害賠償請求書

迷惑駐車・無断(違法)駐車の中止請求書

子どもの親や動物の飼育等に関しての損害賠償請求書

ペット(愛玩動物)が傷害・殺害等された場合の加害者に対する損害賠償請求書

暴行・傷害等の加害者に対する損害賠償請求書

名誉毀損による謝罪広告・慰謝料の請求書

製造物責任の追及

失火に関する損害賠償請求書

土地の工作物等の占有者・所有者に対する損害賠償請求書(工作物責任)

使用者責任に関する損害賠償請求書

国家賠償法に基づく損害賠償請求書

労働災害に関する損害賠償請求書

医療過誤・学校事故等による損害賠償請求書

境界について申し入れや抗議をする通知書(又はそれらに回答する場合)

界標や境界上の塀の設置を申し入れる通知書

目隠し設置の要求書

隣地の工作物・樹木等について申し入れや抗議をする通知書

道路の利用・通行について申し入れや抗議をする通知書

生活環境に関して申し入れや抗議をする通知書

 

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