当事者

 

誰が契約の当事者なのかを明確に

当事者が誰であるかは、契約を実際に履行するうえで、非常に重要なポイントです。ですから、前文中では、名前だけでなく、当事者がどのような立場で契約を結ぶのかがわかるような形で当事者を記載します。

例えば、個人事業者と契約を結ぶ場合は、必ず事業目的であることを明らかにするため、「個人事業者としての○○(屋号)こと○○(本名)は・・・」のように記載します。これは、消費者として契約を結ぶのと、事業者として契約を結ぶのとでは、適用される法律が異なってくるからです。特に、相手が消費者として契約を結んだものとみなされてしまうと、法令(消費者契約法など)によって強力に保護されてしまうので、注意が必要です。

この他にも、法人・個人の別、本人・代理人の別など、契約当事者に応じて書き分けるべきです。

このように、当事者の種類によって信用度も違ってきますし、適用される法律も違ってきます。特に、適用される法律が違ってくると、契約の内容そのものに大きな影響と与えることになります。そのため、相手方がどのような立場・権限・資格で契約を結ぶのかということは、非常に重要です。

 

必ずサインと一致させる

前文中に当事者を正確に記載するだけでは、十分とはいえません。というのも、署名欄に、前文中に記載した内容を反映した形でサインしなければなりません。サインする際には、どのような資格でサインをするのか、ということが重要となってきます。
(この点は、前文中の当事者の記載よりもはるかに重要です。)

サインの書き方ひとつで、どういう資格でサインしたのか、場合によっては、当事者そのものが変わってくることもあります。ですから、サインの方法もよくよくチェックしておかなくてはなりません。

 

契約書は検索しやすいようにする

ちなみに、表題と前文の間(右上)に当事者を表記してある場合もありますが、これは、前文中の名前とは少し性格が違います。

表題と前文の間に記載している名前は、主に検索しやすくするためのものです。つまり、冒頭に当事者の名前を掲げておくことにより、保存している状態(封筒に入れてあったり、ファイルに綴じてあったり)でも、すぐに探し出せるというメリットがあります。ただ、表紙をつける場合は、表紙に契約当事者の名前を明記しておきます。

契約書も、数える程のものしかないと、さほど保管には苦労しません。ですが、取引先が多くなってくると、契約書の数も膨大になってきます。大量の契約書の管理のためにも、契約書の検索性を高めておくことは、意外に重要です。

当事務所では、契約書の当事者についての相談も承っております。
お気軽にお問い合わせください。 

Copyright© 2010 All Rights Reserved.