遺言認知

 

胎児を認知する場合

 

ー 胎児認知の必要な場合 -

胎児の認知は、子の出生前に父が死亡するおそれがある場合や、父が生命の危険の多い場所に行く
等の場合に利用されます。

 

ー 母の承諾 -

胎児を認知する場合には、その母の承諾が必要とされています。(民781➀)

その趣旨は、認知の真実性の担保と母の意思の尊重であるとかいされています。

母の承諾は、認知の届出をするときに得られればいいでしょう。

 

ー 遺言執行者の必要性 -

遺言による認知の場合には、遺言執行者が、その就職の日から10日以内に、認知に関する遺言の
謄本を添付して、認知の届出をすることになっています。(戸64)

遺言執行者の指定がない場合には、利害関係人の請求によって家庭裁判所が遺言執行者を選任
します。(民1010)

 

 

死亡した子を認知する場合

 

ー 死亡した子を認知できる場合 -

父又は母は、死亡した子でも、その直系尊属があるときに限り認知することができます。(民783)

ただ、その直系尊属が成年者であるときは、その承諾を得る必要があります。(民782)

死亡した非嫡出子に直系尊属がいない場合に、死亡した子を父又は母が認知することは、子にとって
何ら利益とはなりません。 また、死んだ子を認知するのは、父又は母がその子の相続人として相続の
利益にあずかろうとする場合が多いといえます。 このような父又は母の恣意的ないし身勝手な認知を
横行させないため、上記条項は死亡した子の認知に一定の制約をかしています。

 

ー 成年者直系尊属の承諾 -

死亡した子の直系尊属があるときに要する承諾は、任意の届出をするときに得ればよいでしょう。

 

ー 認知の効果 -

死亡した子を認知することによって、父又は母と子の直系卑属との間には、血族関係が認められ、
相続や扶養などの権利義務を生じます。

 

ー 遺言執行者の必要性 -

遺言による認知の場合には、遺言執行者が、その就職の日から10日以内に、認知に関する遺言の
謄本を添付して、認知の届出をすることになっています。(戸64)

遺言執行者の指定がない場合には、利害関係人の請求によって家庭裁判所が遺言執行者を選任
します。(民1010)

 

 

子を認知し、子の相続分を指定する遺言書

 

ー 遺言による認知 -

嫡出でない子は、その父又は母が認知することができます。(民779)

認知は遺言によってもすることができます。(民781②)

 

ー 成年の子の承諾 -

成年の子を認知するには、その承諾を得ることを要します。(民782)

最も当該承諾は、遺言執行者が認知の届出をするときまでに得られれば良いでしょう。(戸64)

 

- 相続分の指定 -

認知により、愛人との子には嫡出子の2分の1の相続分が認められますが、遺言により嫡出子と
同等の相続分にすることもできます。

ただ、相続分の指定は遺留分に関する規定に違反することはできません(民902➀)

相続分の指定が、遺留分の規定に反する場合で遺留分権者から減殺請求された場合はこれに
応じなければなりません。

 

ー 遺言執行者の必要性 -

遺言による認知の場合には、遺言執行者が、その就職の日から10日以内に、認知に関する遺言の
謄本を添付して、認知の届出をすることになっています。(戸64)

遺言執行者の指定がない場合には、利害関係人の請求によって家庭裁判所が遺言執行者を選任
します。(民1010)

 

Copyright© 2010 All Rights Reserved.