商取引・契約

商取引とは、営利行為を行う「商人」による取引行為のことです。

商取引の特徴は、①迅速性、②反復継続性、③大量性という点にあります。

企業間の取引においては、特にその金額も大きいことから、生じる問題も極めて深刻だと言えます。

 

商品の引渡し請求

代金を支払ったのに、相手が商品を引き渡してくれない、といったケースです。

「商品を引き渡してくれない場合には契約を解除する」旨の契約の条件付解除の内容証明を送ることもできます。

 

欠陥商品の交換

購入した商品が欠陥商品であった場合には、①良品と交換してもらう、②修理してもらう、③契約を解除して代金の返還を請求する、④損害賠償の請求をするなどの方法があります。

判例は、売買で給付されたものに瑕疵があることが受領後に発見された場合、買主は取替ないし追完の方法による完全履行の請求権を有し、また、不完全な給付が売主の責めに帰すべき事由に基づくときは、債務不履行の一場合として損害賠償請求及び契約解除をすることができるとしています(最高裁判決昭36年12月15日)。

商人間の売買において、特に注意すべき条文(商法)があります。

(買主による目的物の検査及び通知)
商法第526条 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が6カ月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。
 前項の規定は、売主がその瑕疵又は数量の不足につき悪意であった場合には、適用しない。

 

代金の支払請求 

支払期日までに代金を支払ってくれない場合には、催告をして、相当期間の経過後に契約を解除できます(民法541条)。

(履行遅滞等による解除権
民法第541条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行を催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

 

寄託物の返還請求

寄託契約は、契約期間の有無にかかわらず、原則として、いつでも寄託物の返還を請求することができます(民法662条)。

(寄託者による返還請求)
民法第662条 当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。

寄託物の返還請求については、特に理由は必要ありません。

 

リース契約のトラブル

リース契約とは、リース会社が機械・設備を導入しようとする顧客(ユーザー)に代わって、顧客(ユーザー)からリース料の支払いを受けることを条件に購入代金を負担して機械・設備を購入し、顧客(ユーザー)が一定の期間中に機械・設備などの購入資金をリース料として支払って借り受ける契約です。

リース取引の範囲や内容を直接規制する法律はありません(税法除く)。

リース契約の法的性質については、「金融性を重視するか」「賃貸借性を重視するか」によってさまざまな定義づけがなされています。

顧客(ユーザー)がリース料を支払わない場合、リース会社はリース契約を解除することができ、リース物件の返還を求めることができます。その場合でも、残リース料の請求権は失わないとされています(判例)。

 

おとり広告の中止請求 

 

実際には、そのような商品を安価で販売していないにもかかわらず、顧客をおびき寄せるための目的で(不当に顧客を誘引)、広告にその商品についての広告を載せるといったものです。

仮に実際に販売していたとしても、その販売数や販売時間などが広告と異なり、著しく少なく著しく短い場合、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)に違反します。

 

不当広告の中止請求

例えば、「通常10万円の商品を半額の5万円で販売します!」との広告を出した会社があるとします。しかし、その商品は、もともと5万円前後の商品であった場合、その会社は不当広告を出したことになります。この場合、その会社に対し、内容証明で広告の中止を求めることもできます。

 

取引先の限定拘束取引中止請求

例えば、A社がB社に対し「今後B社と取り引きをする変わりに、C社、D社との取り引きをやめなさい」などと拘束するやり方です。

きっぱりとお断りすべきです(法律で禁止されています)。

 

取引のボイコット中止請求

例えば、A社が取引先のB社、C社、D社から取引を中止されたとします。しかし、B社、C社、D社が共同して取引中止行為をしていた場合、そのB社、C社、D社の行為は、独占禁止法に違反します。

内容証明で、独占禁止法違反の旨とボイコットの中止を要請するのがよいでしょう。

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