建設業許可を取得するための要件(条件)

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建設業許可を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。

1.経営業務の管理責任者が常勤でいること。 
2.専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること。
3.請負契約に関して誠実性を有していること。
4.請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有していること。
5.欠格要件に該当しないこと。
6.建設業を営む営業所を有していること。

※建設業許可の申請の際には、各要件を満たしていることを証明するために様々な確認資料を提出(あるいは提示)しなければなりません。

 

◆経営業務の管理責任者とは

建設業許可を受けるためには、経営業務の管理責任者(経管、経責と略して呼ばれます)が常勤でいなければならないとされています。

経営業務の管理責任者とは、その営業所において、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有した者をいいます。

経営業務の管理責任者の要件
  法人では常勤の役員のうち1人が、また、個人では本人又は支配人が下記1~4のいずれかに該当すること。

 

ここでいう役員とは次の者をいいます。
1)合同会社の有限責任社員、合資会社及び合名会社の無限責任社員
2)株式会社及び有限会社の取締役
3)委員会設置会社の執行役
4)上記に準ずる者
*法人格のある各種の組合等の理事等
許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者。
【要件1の補足】
建設業許可を取得していたか否かに係わらず、建設業の経営者(法人の取締役や個人事業主等)としての経験が5年以上あれば、その経験した「建設業の業種」については経営業務の管理責任者となることができます。

 

*但し、経験した業者が建設業許可を有していたか否かによって証明書類は異なってきます。

また、建設業法上の営業所を設置している建設業者において、「政令第3条の使用人(一定の権限を委任された支店長や営業所長等)」として届けられた期間が5年以上あるときは、当該業種について経営業務の管理責任者となることが可能です。

許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、7年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者。
【要件2の補足】
建設業許可を取得していたか否かに係わらず、建設業の経営者(法人の取締役や個人事業主等)としての経験が7年以上あれば、その経験した「建設業の業種以外の業種」についても経営業務の管理責任者となることができます。

 

つまり、28業種いずれかの業種において、建設業者での経営者としての経験が7年以上あれば、28業種すべての業種について経営業務の管理責任者となれるわけです。

*但し、経験した業者が建設業許可を有していたか否かによって証明書類は異なってきます。

許可を受けようとする建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有する者。

 

*準ずる地位とは・・・
使用者が法人である場合においては役員に次ぐ職制上の地位をいい、個人である場合においては当該個人に次ぐ職制上の地位を指します。

 

経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、且つ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
7年以上経営業務を補佐した経験
国土交通大臣が1~3までに掲げる者と同等以上の能力を有する者として認定した者。

なお、専任技術者要件と異なり、一般建設業と特定建設業で経営業務の管理責任者の要件(条件)に違いはありません。

3の①は平成19年3月30日公布・施行の「建設業法第7条第1号イに掲げる者と同等以上の能力を有する者を定める件(昭和47年建設省告示第351号)の一部を改正する告示について」により新たに追加されました。

 

 

専任技術者とは

取得したい建設業に応じて「専任技術者となり得る資格・免許等」が定められています。それらの資格等を有するものが、申請会社の常勤職員(常勤の役員、従業員)として勤めていればこの要件は満たしていることになります。

【専任技術者の許可基準】

一般建設業 特定建設業
法第7条第2号 法第15条第2号
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、次に掲げるいずれかの要件に該当するもの

学校教育法による高校(旧実業学校を含む)所定学科卒業後5年以上、大学(高等専門学校・旧専門学校を含む)所定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者
学歴・資格を問わず10年以上の実務経験を有する者
<注意>下記*1参照。
イ、ロと同等又はそれ以上の知識・技術・技能を有すると認められた者

①所定学科に関し、旧実業学校卒業程度検定に合格後5年以上・旧専門学校卒業程度検定に合格後3年以上の実務経験を有する者
②専任技術者の資格区分に該当する者
③その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認められた者

 

 

専任技術者の資格区分に該当する者
(上記ページの赤枠で囲まれた資格)
法第7号第2号イ・ロ・ハ(左側、一般建設業の欄)に該当し、且つ元請として消費税を含む4,500万円以上の工事(平成6年12月28日前にあっては、消費税含む3,000万円、さらに昭和59年10月1日前にあっては1,500万円以上)について2年以上の指導監督的な実務経験を有する者
国土交通大臣が、イ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者

指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・ほ装・造園)については、上記のイ又はハに該当する者であること

*1 <法第7条第2号ロについて>
実務経験により2業種以上申請する場合は、1業種毎に10年以上の経験が必要です。この経験期間は重複することができず2業種を申請する場合にはそれぞれ10年以上、計20年以上の実務経験が必要となります。

*建設業法第7条第2号ロの実務経験の緩和(実務経験の振替え)については当事務所までお問い合わせください。

専任技術者の要件に関して詳細をお知りになりたい場合は、当事務所までお問い合わせください。

 

 

 

 

「財産的基礎」の要件とは

一般建設業許可の場合は、次の「いずれか」に該当する必要があります。

一般建設業許可の財産的基礎要件 (いずれかに該当すること)
①自己資本が500万円以上あること。
*貸借対照表「資本の部」の「資本合計」の額を「自己資本」といいます。
②500万円以上の資金調達能力のあること。
*金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書等
③直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること(更新の場合)

特定建設業許可の場合は、申請直前の確定した決算において、次の「すべて」を満たす必要があります。

特定建設業許可の財産的基礎要件 (すべてに該当すること)
①欠損の額が資本金の20%を超えないこと。
【法人の場合】
当期未処理損失-(資本準備金+利益準備金+任意積立金計)/資本金
      × 100 ≦ 20%
【個人の場合】
事業主損失 + 事業主借勘定 - 事業主貸勘定 / 期首資本金
      × 100 ≦ 20%

②流動比率が75%以上であること。

【法人・個人ともに】
流動資産合計 / 流動負債合計 × 100 ≧ 75%

③資本金が、2000万円以上あること。

【法人の場合】
資本金 ≧ 2,000万円
【個人の場合】
期首資本金 ≧ 2,000万円

④自己資本が、4000万円以上あること。

【法人の場合】
純資産合計 ≧ 4,000万円
【個人の場合】
資本合計 ≧ 4,000万円

 



「欠格要件」に該当しないこと

「欠格要件に該当しないこと」とは次のいずれかに該当しないことを言います。

許可申請書・添付書類等に、重要な事項について虚偽の記載があり、または重要な事実の記載が欠けているとき。

 

法人にあってはその法人の「役員(取締役等)」、個人にあってはその「本人・支配人」、その他「支店長・営業所長(令3条使用人)」等が次のような要件に該当しているとき。
イ. 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者。
ロ. 不正の手段で許可を受けたこと等によりその許可を取り消されて5年を経過しない者。
ハ. 許可の取り消しを免れる為に廃業の届出をしてから5年を経過しない者。
ニ. 建設工事を適切に施工しなかった為に公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼすおそれが大であるとき、または請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられその停止の期間が経過しない者。
ホ. 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者。
ヘ. 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、もしくは暴力団員による不当な行為の防止に関する法律の規定に違反し、刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者。
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